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環境ソリューションホワイトペーパー

2016年2月4日

油におけるリスクマネジメント

ガソリンスタンド・油に関わる土壌汚染の現状

現在の土壌・地下水汚染に係わる法規制では、油という項目は定められておらず、油中の一成分であるベンゼンが唯一の規制物質になっています。

しかし最近はこうしたベンゼン以外の油に係る項目についても、規制する法令はないものの、通常の土地利用が大きく制限されることを瑕疵として、買主が売主に対して調査を求めることがあります。

油は第三者から見て、容易にその存在が明らかとなることが特徴として挙げられます。比重が小さいことから水面に油膜を形成し、それが周辺の水田などに拡散した場合には隣人からその存在を指摘されることもあります。

油臭にしても、人間の鼻は非常に敏感であることから、これも容易に気づくことになります。大気に拡散することで希釈される場合もありますが、下水管を通じて周辺民家においてガソリン臭がするといった苦情を受けた事例もあります。

発生しうるリスク

  • 油膜・油臭により、第三者からの指摘を受けやすい
  • 比重が軽く、地下水面に浮きやすいため、流動によって周辺に拡散しやすい
  • 重油等、油種によっては土壌中において粘性が高くなり、また土粒子に吸着されて分離が困難となって、揚水法や土壌ガス吸引法では容易に分離することができない場合がある

法律・条例での調査義務

現在の土壌・地下水汚染に係わる法規制では、油という項目は定められておらず、油中の一成分であるベンゼンが唯一の規制物質になっています。
また地下水の要監視項目(環境基準に準ずる)としてトルエン、キシレンがあります。こうした要監視項目については環境基準への格上げも検討されていますが、まだ具体的になっていません。
例外としては大田区で「土壌汚染防止指導要綱」のなかに、生活環境項目である臭気や油膜について、指導基準を別途設けています。

大田区 指導基準

汚染物質の種類 鉱物油
土壌(溶出溶液につき) 油が視認されず、又は油の臭気が感じられないこと。
地下水 油が視認されず、又は油の臭気が感じられないこと。
項目 基準 検定方法 定量下限値
ベンゼン
地下水・土壌環境基準
共に0.01mg/l
日本工業規格(JIS)K0102の5.1、5.2又は5.3.2に定める方法 0.001mg/l
ノルマルヘキサン抽出物質
(油分の溶出値)
排水基準
鉱物油の場合5mg/l
昭和49年環境庁告示64号付表5に定める方法 0.5mg/l程度
四塩化炭素抽出
(油分含有量試験)
廃掃法における汚泥と油泥の濃度基準 5% 昭和51年環境庁告示3号に定める方法 0.01%程度

リスク低減の実例

国際航業は油を対象とした調査を数多く実施しておりますが、特に生産工程のなかで多量の油を長期間にわたって取り扱っていた場合には、地下に浸透していることが考えられるため、計画の段階において土壌汚染対策法で規定されている有害物質の調査時に調査項目に加えることもあります。油に関しては法的な基準が存在しないことから、その調査の必要性については目的に応じて慎重に検討する必要があります。 土壌中の油分を分析する場合では以下のような目的にもよって分析項目は変更いたします。

  • 土壌汚染の範囲を確定するのか?
  • 場外に搬出するためなのか?
  • 処分は海洋投棄なのか、処分場に埋立処分するのか?

具体的には汚染土壌として判断する場合にはベンゼン、残土として場外搬出を考慮する場合では油分分析(油泥として処分場へ搬出する場合の受入れ基準)や、水面に油膜が浮かないことなどを対象としますが、土地所有者や取得者の意向に応じた、現実的な対応が多いのが実状です。以下に具体的な例を示します。

  • 大手デベロッパーが製鋼所を取得した場合
    上記のように油を多量に使用したことが考えられたため、TPH(全石油系炭化水素)による油分分析を実施して、独自基準として1000mg/kgを設定した。

  • 大手石油会社がガソリンスタンドを廃止した場合
    タンク下の土壌を対象に油分分析を実施した。ただし油の基準はないため、n-ヘキサン抽出による5%という産廃基準と、残土として搬出するために油膜・油臭の確認をおこなって適合しているかどうかを確認した。

  • 行政機関が不動産取得して施工した際、土壌中から油が確認された場合
    ボーリング調査の結果、油分表土分布および深度方向油分分布を見ると、油分含有量5,000mg/kg以上の範囲と、1,000mg/kg未満の範囲で大きく分けられたため、対策実施にあたって、対策不要範囲として考える油分含有量の値を概ね1,000mg/kg以下とし、かつ油臭・油膜なしという自主的な浄化基準を設定した。

  • デベロッパーが不動産取得して施工した際、土壌中から油臭が確認された場合 調査を行なうと、油分が5000mg/kg程度みられたものの、油膜が認められなかった。また油臭も掘削後しばらく放置すると揮散する程度であった。そのため残土受け入れ会社に確認したところ、受け入れに問題はないとの回答を得たため、特に浄化対策は実施しなかった。

国際航業のリスクコンサルティング

今後法律及び条例等の改正が予想される中で、国際航業では油分に関する各種委員会活動等で、常に油分に関する最新の情報を有しています。油における将来的な規制を予測しつつ、また不動産売買を契機とした油汚染の対処についての豊富な経験をもとに最善のご提案をさせていただきます。

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