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環境ソリューションホワイトペーパー

2016年8月3日

自社のPCB廃棄物(蛍光灯安定器)の処分は進んでいるか?

PCB廃棄物の保管事業者は平成39年までに処分することが義務付けられている。

中間貯蔵・環境安全事業株式会社(以下【JESCO】という)の順番待ちに早期に並びたいというのはもちろんだが、多くの保管事業者は、特別登録割引期間に【JESCO】へ搬入荷姿登録を完了して3%割引を得たいと考えているだろう。

しかし、自社はこのような状況にないだろうか?トランス、コンデンサについては、低濃度、高濃度の判別を行った上で処分を進め、一方で蛍光灯安定器については、取り外しを行っているが、荷姿登録をしないまま、保管されている状態となっている。または、現在でも使用中。

担当者は自社の保管状況を把握しコストを抑えて、効率よく取り組む必要がある。 今回は、担当者が「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」(以下「PCB特別措置法」という)の制度を理解し、インセンティブを受けながら、低コストで処分を進める方法をお伝えしたい。

PCB廃棄物の搬入荷姿登録によって処分費用の削減が可能か?

まず、処分費用の削減制度について簡単におさらいしておこう。 中間貯蔵・環境安全事業株式会社(以下【JESCO】という)で処理が必要な高濃度PCB廃棄物について、JESCOが処分費用の3%を割り引く「特別登録・調整協力制度」がある。

PCB廃棄物の特別登録割引の注意点

次に、6ヶ月の受付期間内に【JESCO】に安定器等・汚染物に関する情報の提供および搬入時期の調整に協力した場合、登録された廃棄物の処理料金が3%割引となる。ここで注意いただきたいのは、 同制度を利用するにあたり、【JESCO】へ特別搬入荷姿登録を行う必要がある。

搬入荷姿登録をする前に重要なこと

搬入荷姿登録に必要なことは、蛍光灯安定器の判別作業(【JESCO】ではPCB廃棄物以外を処理できないため)、数量・重量の把握、保管容器への入替え、写真撮影、申込書作成である。

詳しくは、環境省、JESCOから分りやすい資料が出ているのでホームページを確認いただきたい。

環境省:http://www.env.go.jp/recycle/poly/pcb-pamph/index.html
JESCO:http://www.jesconet.co.jp/customer/discount_02.html

自社の担当者は業務の他に搬入荷姿登録のための作業を実施できるか、どうかを検討していくことになる。蛍光灯安定器の保管数量が少量である、前任者がしっかりと整理して保管していたというケース(非PCBの混在の可能性は念のためご確認下さい)を除いては、担当者の負担が多くなることが予想されるので、処分期限を再認識し、搬入荷姿登録完了までのスケジュールを明確化することが必要だ。

JESCO搬入荷姿登録には割引期間があることを知っておこう

各都道府県では日本環境安全事業㈱【JESCO】搬入荷姿登録を完了した保管事業者の処理金を3%割り引くと公表されているが、この期間以降の処分費3%引きがない旨が明記されおり、ご注意いだきたい。各都道府県別特別登録割引について実施期間の早い順に以下に記載した(一部)。担当者は実施期間を確認し、自社の対応について計画をたてることが必要だ。

No. 自治体 実施期間
1 東京都 平成28年4月~9月にJESCO搬入荷姿登録を完了
2 埼玉県 平成28年4月~9月にJESCO搬入荷姿登録を完了
3 静岡県 平成28年7月~12月にJESCO搬入荷姿登録を完了
4 愛知県 平成28年7月~12月にJESCO搬入荷姿登録を完了
5 岐阜県 平成28年7月~12月にJESCO搬入荷姿登録を完了
6 和歌山県 平成28年7月~12月にJESCO搬入荷姿登録を完了
7 大阪府 平成28年10月~平成29年3月にJESCO搬入荷姿登録を完了
8 奈良県 平成28年10月~平成29年3月にJESCO搬入荷姿登録を完了(予定)
9 千葉県 平成29年4月~9月にJESCO搬入荷姿登録を完了
10 京都府 平成29年4月~9月にJESCO搬入荷姿登録を完了(予定)
11 神奈川県 平成29年7月~12月にJESCO搬入荷姿登録を完了
12 兵庫県 平成29年7月~12月にJESCO搬入荷姿登録を完了(予定)
13 滋賀県 平成29年7月~12月にJESCO搬入荷姿登録を完了(予定)

蛍光灯安定器の精査業務」で最初の難関について

担当は自社の保管中の安定器には、「非PCB廃棄物」が混在しているという認識を持つことが重要だ。 担当者が計画を立てる際に、最初に待ち構えている最初の関門です。担当者の多くが前任者から引き継いだPCB廃棄物をそのまま保管している状況であり、過去の蛍光灯安定器の取外し工事に関わっていないことや、蛍光灯安定器を見たことがないのがほとんどである。

非PCBがどうかの精査材料

非PCBかどうか、保管中の蛍光灯安定器の銘板確認、メーカー問合わせをおこなうことで、非PCBの混在が確認できる場合がある。
また、手元にあるPCB特措法の届出書類、または管理用のPCB廃棄物台帳の文書調査を行うことで「非PCB廃棄物の混在の可能性」について分かる場合がある。

以下は過去の非PCB廃棄物を精査することによって混在が確認されたケースだ。

蛍光灯安定器の精査<PCB廃棄物処分サポート>削減量
No. 客先 業務概要 保管数量 削減重量 削減できた将来費用
1A社安定器精査、JESCO支援211個7kg(1.5%)39万円
2B社安定器精査、PCB分析583個33kg(22%)99万円
3C社安定器精査、コンデンサ分析、JESCO支援228個74kg(14%)226万円
4D社安定器精査、JESCO支援92個82kg(40%)248万円
5E社安定器精査、JESCO支援173個130kg(3.6%)393万円
6F社安定器精査3,290個140kg(23%)423万円
7G社拠点集約、安定器精査、
コンデンサ銘板調査、JESCO支援
701個160kg(11%)483万円
8H社安定器精査144個406kg(44%)1,227万円
9I社安定器精査、
JESCO支援
770個419kg(18%)1,267万円
10J社2安定器精査、JESCO支援98個428kg(84%)1,296万円
11K社PCB行政対応支援、安定器精査、
JESCO支援
1,532個566kg(24%)1,711万円
12L社安定器精査、JESCO支援730個691kg(47%)2,090万円
13M社安定器精査、JESCO支援560個891kg(38%)2,688万円
14N社安定器精査、PCB分析、JESCO支援5,987個1,535kg(8%)4,641万円
15O社安定器精査、JESCO支援4,029個2,158kg(74%)6,525万円
16J社1安定器精査、JESCO支援845個2,218kg(54%)6,709万円
17P社安定器精査、JESCO支援929個3,330kg(38%)1億69万円
(国際航業株式会社 環境ソリューション事業部2016年)

抹消届とは何か?

JESCO搬入荷姿登録が注目されがちだが、抹消届というものがある。抹消届けに何が必要か確認しておこう。
東京都の例では、「蛍光灯安定器の精査業務」の完了後に、PCB特措法の届出がなされているリストから、非PCB廃棄物分を取り下げる抹消届が必要となる。抹消届には、取り下げる非PCB廃棄物のリスト、非PCB廃棄物の写真、メーカー公表資料または証明書を添付すること求められる。

行政報告を行う際に、東京都環境局のPCB窓口ででは、全ての非PCB廃棄物について、その判断根拠を確認が行われる。PCB特措法の届出しているものについては、適切なプロセスで非PCB廃棄物を取り除くことにより、次年度に提出するPCB特措法の届出内容が大きく変更されるため、行政報告もしっかり実施する必要がある。
※東京都のPCB廃棄物の登録抹消届出書用紙は、東京都庁 資源循環推進部 産業廃棄物対策課 PCB処理対策窓口にて配布している。

PCB特別措置法が一部改正されることが閣議決定

2016年3月に、PCB特別措置法が一部改正されることが閣議決定され、5月に公布となった。 環境省より発表の要旨は以下の通りである。

1、PCB特措法に基づく届出が提出されていない高濃度PCB廃棄物について、今までは、任意調査であったが、行政機関の立ち入り検査の権限を強化する。

これは、高濃度PCB廃棄物、PCB使用製品がどれ位存在しているかが不明であるためだ。 今後、保管中のPCB廃棄物数量とPCB特措法の届出数量を確認する必要がある。

2、使用中のPCB製品についても廃棄するよう義務づける。(高濃度PCB廃棄物処理の前倒し)

現在使用中の高濃度PCB製品が多く存在していると思われるためだ。今後、現在使用中の高濃度PCB製品の有無を確認する必要がある。

3、義務違反に対しては、改善命令ができることとする。命令違反には罰則を科す。

行政機関へPCB廃棄物の届出を行っていてもJESCOへの処分委託(荷姿登録)をせず、保管したまま多くの廃棄物が存在するためだ。
今後、保管中のPCB廃棄物の確認およびJESCOへの処分委託(荷姿登録)を行っているかの確認が必要である。

環境省:http://www.env.go.jp/press/files/jp/29381.pdf

PCB特別措置法施行令の一部を改正する政令が公布

2016年7月29日に、PCB特別措置法施行令の一部を改正する政令が公布となった。
2016年8月1日から施行。
環境省より発表の要旨は以下の通りである。

1、PCB特別措置法の一部を改正する法律の施行期日を平成28年8月1日とする。

http://www.env.go.jp/press/files/jp/103469.pdf

2、PCB廃棄物の種類および保管場所の所在する地域ごとに処分の期間を定めた。

http://www.env.go.jp/press/files/jp/103470.pdf

3、PCB使用製品からPCBを除去する方法を定めた。

http://www.env.go.jp/press/files/jp/103474.pdf

最後に

このように、現在、PCB廃棄物(蛍光灯安定器)を保管している事業者は、廃棄物の保管状況の確認、PCB特措法の届出書類または管理用のPCB廃棄物台帳の確認、現在使用中のPCB含有機器の存在の確認を改めて行う必要がある。
期間内に作業すすめ、適切な処分を行い、制度を利用するにはポイントが必要だ。
自社の担当者は、廃棄物の計画的処理完了期限および廃棄物処理費用削減を留意し、PCBの適正処分の取り組みにお役立ていただきたい。

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