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環境ソリューションホワイトペーパー

2016年10月7日

生物多様性について企業は何をすべきであるか?

2010年10月に名古屋市で開催された生物多様性条約第10回締約会議(COP10)にて「生物多様性戦略計画2011-2020年および愛知目標」が採択され、生物多様性について20の戦略目標が定められ、また、昨年11月にISO14001が改訂され、環境保全の観点から環境方針の中に生物多様性の概念が新たに含まれた。

今後、事業者は継続可能な事業活動を継続するために、生物多様性と自社活動の関係性を包括的にかつ定量的に把握し、保全に努めることが、これまで以上に意識して求められることとなる。

では、自社はどうか?事業活動を行っていく中で、生物多様性についてどのような対応をして、またはどのように進めていくかを悩んではいないだろうか?

生物多様性活動の進め方は?

生物多様性の取組みで一番重要なことは、生物多様性活動はあくまでも手段やツールであり、確固たる視点を持って持続可能な企業活動や社会作りにどのように活かすか?という明確なビジョンを作ることである。まずは、従来の環境保全活動との整合性を整理し、企業活動を継続する上での生物多様性との関係影響を分析することから始める必要がある。その上で、目標と持続性のある取組み内容の設定を行い、有効なコミュニケーションを図りながら活動を行い、情報の開示と見直しを定期的に行っていく。
その取組み内容は企業の業種業態によって全く変わってくることはもちろん、原材料の調達先や企業拠点の立地している場所によっても大きく変わってくる。

また、生物多様性の取組みを行う上で、管轄行政や地域住民との連携と適切な情報開示も検討する必要がある。
たとえば、地方公共団体が独自の生物多様性地域戦略を計画しているケースも多く、自社の戦略を構築する上で、地域の目指す方向性を考慮し、連携を模索することは重要である。また、市民団体等で環境教育や学習を主とした活動や、ごみの減量や資源化を目的とした活動など地域特有の様々な取組みもあるため、活動基本方針をたてる上で、こうした団体との連携を模索することも有効である。

地方公共団体による生物多様性地域戦略があることを知っておこう

生物多様性基本法では、都道府県および市町村で生物多様性地域戦略の策定に努めることとされており、下記の地方自治体では既に生物多様性戦略を策定している(平成27年5月現在)。自社で生物多様性の取組みを検討するにあたり、自社が立地している地方自治体での戦略内容および事業内容を参考にできる。

No. 自治体 地域戦略の名称(自治体)
1 滋賀県 生物多様性しが戦略
2 埼玉県 生物多様性保全県戦略
3 千葉県 生物多様性ちば県戦略
4 愛知県 あいち自然環境保全戦略
5 兵庫県 生物多様性ひょうご戦略(改訂版)(平成26年3月改訂)
6 北海道 北海道生物多様性保全計画
7 栃木県 生物多様性とちぎ戦略
8 熊本県 生物多様性くまもと戦略
9 福島県 ふくしま生物多様性推進計画【第2次】(平成26年3月改訂)
10 石川県 石川県生物多様性戦略ビジョン
11 大分県 生物多様性おおいた県戦略
12 大阪府 大阪21世紀の新環境総合計画
(記載の一部を生物多様性地域戦略に位置づけ)
13 岐阜県 生物多様性ぎふ戦略の構築
14 佐賀県 第2期佐賀県環境基本計画
(記載の一部を生物多様性地域戦略に位置づけ)
15 長崎県 長崎県生物多様性保全戦略(平成26年12月改訂)
16 愛媛県 生物多様性えひめ戦略
17 長野県 生物多様性ながの県戦略
18 三重県 みえ生物多様性推進プラン
19 東京都 緑施策の新展開
20 愛知県 あいち生物多様性戦略2020
21 奈良県 生物多様性なら戦略
22 岡山県 自然との共生おかやま戦略
23 広島県 生物多様性広島戦略
24 福岡県 福岡県生物多様性戦略
25 沖縄県 生物多様性おきなわ戦略
26 山口県 山口県環境基本計画・第3次計画
(記載の一部を生物多様性やまぐち戦略に位置づけ)
27 徳島県 生物多様性とくしま戦略
28 福井県 福井県環境基本計画
(記載の一部を生物多様性地域戦略に位置づけ)
29 青森県 青森県生物多様性戦略
30 山形県 山形県生物多様性戦略
31 高知県 生物多様性こうち戦略
32 富山県 富山県生物多様性保全推進プラン
33 鹿児島県 生物多様性鹿児島県戦略
34 茨城県 茨城の生物多様性戦略
35 宮崎県 「みやざき自然との共生プラン」 生物多様性みやざき戦略

「政令指定都市」および「市区町村」でも生物多様性地域戦略の策定を行っているので、環境省のホームページを確認していただきたい。

環境省:http://www.env.go.jp/nature/biodic/lbsap.html

生物多様性の具体的な取組みは?

生物多様性の取組みは、サプライチェーンにおける持続可能な原材料調達や事業所敷地等における生物多様性の取組み等、各社がそれぞれ優先度を考慮して、進めることになる。たとえば原材料調達においては、日本と同じく高齢化や若者の都市への移住が加速することによって、10年後にはタイの農家からの調達が困難になるようなことが想定される場合に、こうした農村部における人手不足による農業をサポートすることにより、広義の生物多様性を保全しながら、ひいては持続可能な企業活動に資することもある。
また、事業所敷地は第三者の立ち入りが制限されるため、盗掘や自動車などとの衝突が避けられる、サンクチュアリ(聖域)となりうる。そのため、敷地内での保全活動を通じて、地域の生物多様性に貢献すると共に、社員や地域住民への啓蒙活動に昇華させることが考えられる。
そこで、以下に事業所敷地等における動植物を対象にした生物多様性の取組み事例を挙げる。自社での生物多様性活動に役立ていただきたい。

敷地内で見られる動植物の写真掲示・植栽等のネームプレート整備を通じた社員への啓蒙活動

巣箱の設置による鳥類の保全

散策道整備による社員や地域住民への緑地開放、植栽時における小中学校との協働

周辺水路や河川などの経年的な水質・生物調査

在来種の保護活動(ホトケドジョウ等)

希少種の保全活動(左:ミナミメダカ 、右:トウキョウダルマガエル等)

在来種の保全活動(左:ヘクソカズラ(在来種◎)、右:アメリカオニアザミ(外来種×))

敷地特性を生かしたサンクチュアリ、ビオトープの構築

最後に

生物多様性への取組みには業種業態によってその優先度は異なり、また立地条件などによっては異なるため、答えがない。言い換えれば、多様性に富むのがこの活動の特徴であり、その結果、各企業によって取組む内容は異なっている。
しかし、自社の取組みを決めるためには、生物多様性の現状把握をして、その上で自社としてどのような方向性で進めていくかを検討することが持続可能な活動のためには必要不可欠となる。
今回は生物多様性への取組みについて動植物を対象として事例を挙げてみたが、生物多様性に及ぼす影響の低減、生物多様性の保全活動への取組みにお役立ていただきたい。

生物多様性とは?

生物多様性とは生きものたちの豊かな個性とつながりのこと。地球上のいきものは40億年という長い歴史の中で、さまざまな環境に適応して進化し、3,000万種ともいわれる多様な生きものが生まれました。
これらの生命は一つひとつに個性があり、全て直接に、間接的に支えあって生きています。生物多様性条約では、生態系の多様性・種の多様性・遺伝子の多様性という3つのレベルで多様性があるとしています。「環境省HPより抜粋」

日本の生物多様性を巡る4つの危機

環境省から、過去50年間の生物多様性および生態系サービスの総合評価が公表された。

  • 人間活動における開発や乱獲等による危機
  • 自然に対する人間の働きかけの縮小による危機
  • 人間により持ち込まれた外来種や化学物質等による危機
  • 気候変動等の地球環境の変化による危機

この危機が過去20年、下記の大きな損失要因となっている

  • 生態系の開発改変
  • 絶滅危惧種の減少
  • 里地・里山の管理、利用の縮小
  • 外来種の進入・定着により在来種の減少 等

「平成28年版 環境白書 循環型社会白書/生物多様性白書から一部引用」

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